大分県別府市における民泊施設の立地傾向と運営形態の実態: 地方都市における民泊施設を介した施設間連携の可能性 その1

摘要

近年,外国人観光客の増加や宿泊ニーズの多様化に伴う「旅館業法改正(2017 年)」や「住宅宿泊事業法施行(以下,民泊新法)(2018 年)」により,民泊注1)への注目が高まっている。民泊新法では,ホテルや旅館の客室不足の解消や,違法な民泊営業の取締り,近隣住民とのトラブル回避を図るために制定された。これにより,住居専用地域でも営業が可能になった一方で,年間営業日数180 日の上限に加え,営業区域や営業期間の制限を条例で定めている自治体もある注2)。つまり,自治体は地域住民の住環境を守る姿勢であるが,民泊事業者にとっては,民泊参入のハードルを高くしていると考えることもできる。