砂礫の敷設•供給が下流河道へ与える影響とその応答速度

摘要

以上をすると，以下の通りとなる. ①永田地区上流端に敷設された粒径10cm程度の礫(D90相当）は，1出水で最大1.5km程度移動した.出水の履歴を考慮すると，2004～2006年頃には昭和用水堰まで到達したと推定された. ②昭和用水堰上流区間では，砂利採取禁止後の樹林化の進行とともに急激に堆砂が進行した(延長1km区間について最大で11，000m~3/年）.しかし，1990年以降は安定傾向にあり，2000年以降も顕著な堆砂は生じていない.よって，砂礫の敷設•供給による下流の堰への影響は小さいものと判断された.