利根川•江戸川分派を含む河道区間における非定常準二次元解析法の適用方法の研究

摘要

我が国の河道には樹木が繁茂し，洪水の流下を阻害する等，樹木に関わる河道管理の問題が生じている.また，堤防際まで宅地化が進み，流下能力確保のため河道線形を現在の提防線形から変更することは難しくなっている.そのため，河道掘削や河道内の樹木群管理による洪水流下能力の確保が検討されている. 近年，直轄河川を中心に，洪水流の観測体制が整備されつつあり，このような整備が行われている河川では河川のレべルが向上している.観測体制整備のポイントは，河川管理が特に必要な河道区間に多くの簡易水位計を設置することにより，観測水面形の時間変化や洪水流の流れ方から，河道の維持管理，安全性の判断や流下能力不足区間の河道の作り方などこれまで以上にきめの細かい検討ができるようにすることにある.