波形接続型音声合成の単位選択に基づく話者変換の検討

摘要

本稿では話者変換の話者性及び音質を向上する一つの手法として，波形接続型音声合成の単位選択に基づく話者変換法を提案した.その結果，話者性については異性間，同性間の変換共に良い結果が得られた.また音質については性別による差が小さいこと，接続コスト導入が音質向上に有効であることが分かった. 今後の課題としては，今回の実験では音声認識が100%正しいと仮定した場合の評価を行ったので音声認識を行った場合の評価を行うことが挙げられる.また同話者間の変換音声と原音声の評価に差があつたので，波形の接続を行った後の後処理を導入することやデータベースの拡大を行うことも挙げられる.さらに単位選択の際の重みについて検討することも挙げられる.