乾式系吹付けアスペストの無人化除去·回収システムの開発その1システム概要、及び実証試験結果

摘要

吹付アスベストは、その不燃性、耐火性や断熱性、吸音性などに優れていることから，過去において、建物の天井や壁、柱、粱などに吹付施工等がなされてきた。しかしながら、経年劣化などにより、その吹付表面からアスベスト繊維が空気中に浮遊飛散し、肺ガンや中皮腫、石綿肺といった人体の健康に悪影響を与える要因となることが指摘されており、その除去が急務となっている。その除去方法は、防塵マスク、保護衣を着用した完全防備の専門の作業員が、密閉された室内に隔離されて、ケレン棒やワイヤーブラシなどを使って吹付アスペストを剥離·除去するのが現状である。これは有害なアスペストを取り除くという根本的な解決に繋がるものの、作業者が手作業で除去するということは多大な手間を要し、工事費の高騰を招いてしまうとともに、作業者の健康被害を引き起こしてしまうことも懸念される。これは、今後アスベスト問題の解決に対して大きな障害となる。そこで、我々は主に建物解体時における乾式系吹付ァスべストの除去、及び回収作業を遠隔操作によるアスペスト除去·回収ロボットによって安全かつ効率的にできるシステムを開発し、実験室レベルでの実証試験を行ったので、そのシステム概要及び実証試験結果について以下に報告する。