享保期における卯辰山山麓寺院群の寺院配置について

摘要

金沢市内には現在、寺院集中地区が三ケ所存在する。その内の一つ、卯辰山山麓寺院群は、金沢城の北東、浅野川右岸にある卯辰山の山麓から旧北国街道沿いにかけての約96haの範囲に、44寺院4神社が立ち並ぶ寺町である。金沢市は2004年より、卯辰山山麓寺院群伝統的建造物群保存対策調査専門委員会（委員長•平井聖）および同作業部会（座長・川上光彦）を組織し、この地区の特性を明らかにするため、2年間の調査を行った。その過程において明らかになった、同地区の寺院配置の特徴について、報告を行う。