毛利邸における和館と洋館の配置: 明治初期における和洋館並列型住宅に関する研究

摘要

旧大名家毛利家が明治初期に建てた毛利邸は、和洋館並列型住宅の初期の事例として知られる。高輪にあって、明治5年3月に着工し、洋館は当時鉄道頭であった井上勝が監督し明治6年10月に竣工し、和館と渡り廊下でつながれていたとされる。明治初期における和洋館並列型住宅の配置の特徴については、皇族のものが知られており、洋館が表向で和館が奥向であったことが指摘されているが、皇族以外のものは十分に明らかにされていない。