塗装の有無から見た太地町•那智勝浦町沿岸集落部の民家に関する比較考察: 紀伊半島南部における民家の特色 その1

摘要

太地における建築的特徴とその必要性について、つぎの事項を把握することができた。①小さな敷地を活用するため、総2階建てとし居室面積が確保できるが、風雨対策とし庇が必要となった。②庇が必要なため、出桁構造を採用せざるを得なくなり、この構造材を意匠として積極的に工夫を凝らした。③各種の制約から、主室である座敷の天井高さの確保のため、2階部分に居室を設置できなくなった。