再エネ導入検討のための需給ｼﾐｭﾚｰﾀ開発と電力系統における運用実証:6. シミュレーションシナリオのねらいと概要

摘要

風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギー（再エネ）の普及拡大が期待されている。再エネの発電出力は気象等に大きく依存するため，従来電源と同様に計画的に運用・制御することは困難である。このような性質を持つ再エネが電力系統に大量に連系されると，電力の安定供給に悪影響を及ぼす懸念がある。このため，再エネ大量導入に対して，電力供給の信頼度を維持しつつ，費用やCO2 排出が最小化されるような再エネ対策が望まれる。このような背景の下，我々は，将来の再エネ大量導入を支える電力需給の考え方や技術開発の方向性の検討に資することを目的に，再エネ大量導入の電力系統への影響とその対応の解析的な分析・評価やシミュレーションを客観性高く効率的に可能とする，電力系統の「供給信頼度評価」「需給運用計画」「周波数制御」に関する解析基盤（再エネ導入検討のための需給シミュレータ； Simulation andAnalytical tools for Renewable Integration (Sari)）の開発を進めている。