次世代高効率オイルクーラ開発

摘要

近年，地球温暖化対策としてより CO2削減が可能な内燃機関のダウンサイジングターボ化が進められており，これにより放熱量が増加している．また歩行者保護や車両デザイン要求，さらにハイブリッド用の強電系放熱器追加でエンジンコンパートメントスペースが縮小傾向になっている．このため冷却システム，とりわけ自動車用オイルクーラ（以下，オイルクーラと記す．）の高効率化と小型化要求が増しており，これまでも多くの研究が行われてきた(1)(2)(3)．オイルクーラは潤滑システム内の油温が目標温度となるように熱交換するとともに，油を循環させるためのポンプ仕事を最小限に抑制することが求められており，オイルクーラの高効率化の実現は重要である．本稿は，基礎実験と熱流体・伝熱シミュレーションにより検討した冷却原理をオイルクーラに実装し，低圧損でかつ熱交換量を増加させた内容について報告する．