対車両事故における高齢自転車乗員の頭部傷害，骨折の予測

摘要

2017年の我が国の状態別交通事故死亡者数は3,694人であり，図1のように交通弱者（歩行者，自転車乗員）が50%を占めることから，交通弱者への対策が必要である.現状では，歩行者の保護対策が積極的に行われている一方で，自転車乗員に対する対策が行われていない．また，自転車乗員の死者は高齢者が多く，図2から損傷部位の中で頭部を占める割合が多いこと，負傷者は脚部を損傷する割合が多いことが指摘されている(1)．その為，本研究グループでは自転車事故についての解析モデルを開発し，車両と自転車乗員衝突時の頭部傷害リスク