階層型領域分割法での周期境界条件の効率的な取り扱い

摘要

日本で発電される全電力の60%以上がモータで使われるとともに，その電力のほぼすべてを発電機が発電しており，回転機は我々の生活に欠かせないものとなっている．これらの回転機はコスト削減や環境負荷低減等の観点からより高効率なものが求められており，これを達成するために回転機の電磁界解析が行われ，その結果が設計に活用されている．しかし計算時間や記憶容量等の制約により，詳細な解析で十分に定量的な結果を得るにはまだ課題が多い．そこで様々な回転機の並列解析手法が提案されているが，従来の並列解析手法は回転子という移動体の存在ゆえになかなか効率的な解析ができず，わずか10並列で解析時間が短縮できなくなるものもありスーパーコンピュータを回転機の解析では十分に活用できていない．そのため設計の現場では数千～数万もの時間ステップの解析を数日程度で終わらせるために自由度を数万程度に抑えざるをえず，不十分な精度で工夫しながら設計が行われている．