秋葉原地区における小規模角地建築の外形構成秋葉原地区における小規模角地建築の外形からみた街並の空間構成(1)

摘要

東京都秋葉原地区は、江戸時代には住宅地として、近代以降には鉄道の敷設により問屋街として、更に戦後には電気街へと発展した地域である。さらに近年は、アニメやゲームといったサブカルチャー分野の増加によって、新たな街並へと変化を続けている。このように変遷の激しい地域であるが、電気街以降の看板広告物による壁面の積極的な利用と、江戸時代からの細分化された街区割りは今でも残っている。従って、小幅員の街路と角地が多く、視認範囲が限定されるにも関わらず看板広告を多方向にもつ角地建築が街並にー定のリズム感を与えていると考えられる1)。そこで本研究では東京都秋葉原地区において角地に立地する小規模建築2) を対象に( 図１）、角地建築の外形の構成と交差点からの透視図による宣伝要素の見え方に着目して、秋葉原固有の街並の空間構成について検討する( 図２)。このことから、街区構成と建築の構成の連動性に関する有効な知見を得るとともに、小規模街区の集合による都市空間の構造を明らかにすることを本研究の目的とする。本編では、立面と透視図から秋葉原地区の小規模角地建築の構成を明らかにすることを目的とする。