建築構造用高強度鋼材を用いた完全溶込み溶接接合部を含む部分架構の低サイクル疲労実験

摘要

建築構造用780N 鋼箱形断面柱・490N 鋼梁を完全溶込み溶接接合して構成した部分架構の低サイクル疲労実験を行い、以下の結果を得た。1.H-SA700 部分架構の低サイクル疲労実験による破壊は、継手試験時と同様、フランジ側止端部から開先FL に沿ったき裂発生による。2.梁フランジ-柱スキンPL, 内ダイアフラム-柱スキンPL溶接部は(柱スキンPL に対して)アンダーマッチだが、柱スキンPL 側にはき裂は見られず、柱スキンPL に対するアンダーマッチは梁端破壊に影響を与えなかった。3.H-SA700 部分架構の低サイクル疲労性能は、継手試験で得られた結果とほぼ同等だった。4.ESW 部でのシャルピー衝撃値には低値も散見されたが、架構の低サイクル疲労性能への影響は見られなかった。