3 方向加力された鉄筋コンクリート立体隅柱梁接合部の破壊機構に関する実験的研究 （その3：水平2 方向載荷時の検討）

摘要

柱軸力を変数としたRC 造立体隅柱梁部分架構に3 方向載荷する実験を行い、以下の知見を得た。(1) 柱圧縮軸力が260kN の試験体K2（柱梁曲げ耐力比1.4）は1 方向加力時に接合部曲げ終局状態となり、水平2 方向加力時（1 方向加力時に対して層間変位が√2倍）でも最大耐力のベクトル和は増大しなかった。柱圧縮軸力が770kN の試験体K3（柱梁曲げ耐力比2.3）では水平2方向加力することで東梁および北梁が曲げ終局状態となり1 方向加力時より耐力が増大した。(2) 水平2 方向加力時（南西方向）の耐力が試験体K2 は最大耐力に対して層間変形角4.2%時（3%サイクル地点B）で71%、試験体K3 は54%となり、軸力を3 倍とすることで接合部が脆性破壊し、耐力がより急激に低下した。