914.3.15 秋田仙北（強首）地震の被害に関する文献調査: その４ 内田祥三の現地調査報告

摘要

1914 年秋田仙北地震は秋田県南東部で発生したM7.1 の内陸地震で死者94、住家全潰640 を生じた地震である。筆者らはこの地震の文献調査を進めており、大会報告では、第一報（被害と復旧の時系列1)）、第二報（被害の空間分布2)）、第三報（個別建物の被害3)）を報告している。一連の文献調査を進める中で、内田祥三が地震直後に現地調査を行い建築工芸叢誌に「秋田震災被害地巡回所感」4)と題する論文を発表していることが判明した。さらに、1923 年関東地震直後に行われた電気学会での講演の中で仙北地震被害を引用し関東地震被害と比較している文献5)を見出した。本論は内田の報告を通じて秋田仙北地震の建物被害はどのように捉えられていたのかを考察する。