部分影補償器を用いた太陽電池パネル用電気的診断技術の実機検証

摘要

太陽電池（PV: Photovoltaic)パネル上に発生する部分影によって発電量が大幅に低下するのみならず，複数の最大電力点（MPP: Maximum Power Point)が発生するという問題が知られている.これらの問題を解決するために種々の部分影補償器が提案されている.一方で，パネルの不具合に起因した発電量の低下などの問題が懸念されるため，パネルの不良個所の早期発見が必要となる.そのため近年では，交流インピーダンス測定に基づく電気的診断技術が有望視されているが，診断のための測定装置の導入によるコスト増加が問題となる.本稿では，上 記の問題を解決可能な部分影補償器とそれを利用した電気的診断技術を提案する.動作解析と実機検証の結果，提案回路により部分影発生条件下における発電量を向上させつつ，パネルの電気診断が可能であることが示された.