ナフタロシアニン誘導体ナノ粒子の作製と特性評価

摘要

生体内を観察する手法の一つに光音響イメージングという方法が存在する。断続光を造影剤に対して照射することで光エネルギーが熱エネルギーに変換される。この熱エネルギーにより造影剤が膨張収縮を繰り返すことで超音波が発生し、これを検出することでイメージングが可能となる。この光音響イメージングは光や超音波のみを利用する場合と比較して高コントラストで体の深い部分までイメージングが可能であるという利点がある。造影剤はヘモグロビンや水など生体内の物質による吸収が少ない近赤外領域に吸収を持ち、体内から排出されにくい大きさである10nm以上、かつ500nm以下であることが望ましいとされる。また、大きさが20-200nm程度の粒子はEnhanced Permeability and Retention効果(EPR効果)によってがh細胞に選択的に蓄積されることも知られている。