Ge_(28)Sb_(12)Se_(60)ガラスの高温クリープ挙動

摘要

カルコゲナイドガラスは赤外透過特性にすぐれた低Tgガラスであり、種々の赤外線デバイスへの利用が始まっている。ガラスの金型成形による窓やレンズなどの高精度の素子製造では、ガラスが軟化する高温における粘性や弾性が重要になる。Se系ガラスは古くから研究が行われているガラスであり、粘度の温度依存性など多くの物性の諸元が議論されている。しかしながら、ガラスの熱加工成形が行われるガラスの屈伏点近傍での粘弾性挙動の報告は少ない。筆者はGeSe_2-Sb_2Se_3のストイキオメトリからSe-rich側にずれたGe_(20)Sb_(15)Se_(65)ガラスの粘弾性挙動に、早い緩和と遅い緩和の二つの構造緩和機構があることを報告した。本研究ではSe-poor側に組成がずれたGe_(28)Sb_(12)Se_(60)ガラスを対象として一軸加圧によるクリープ挙動を観察し、粘弾性挙動の組成依存性をガラス構造と対比して議論する。