各種震源過程結果を用いた2011 年東北地方太平洋沖地震における強震観測記録の再現性について

摘要

本論では, 東北地方太平洋沖地震に関して提案されている八木の震源過程に着目し, 経験的グリーン関数法を用いて波形合成することで, 強震動の再現性について検討した.今回の東北地方太平洋沖地震は, 様々な研究機関によって断層すべり量が解析されているが, そのうちのある震源過程のみに着目して震源モデルを作成し, 波形合成すると,観測波形と合成波形で図5, 図6 に示すような差異が認められることを示した. 震源モデルの設定によりこのようなばらつきが生じることを常に念頭に置いて, 波形合成法による強震動評価を行う必要がある.