CLTによる構造の設計法検討のための実大震動台実験(2015年度)の概要

摘要

昨年の本誌6月号でCLTパネルを用いた建築物の震動台実験の概要について報告したが，本報は同じプロジェクトによる2年目の震動台実験の概要である。国交省ではCLTの一般的な設計法の構築を目指して，平成26〜27年度で「CLTを用いた木造建築基準の高度化推進事業」(以下，本事業)を実施しているが，本実験はその事業の一環として平成28年1月18, 19, 25, 26日の4日間で(独)防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター(E-ディフェンス)で行われた。事業主体は(一社)日本CLT協会，(一社)木を活かす建築推進協議会，(株)日本システム設計の三者で，(国研)防災科学技術研究所，建築研究所との共同研究で実施された。本実験はこれまでの事業で検討されたCLTパネル構法の4つの構造設計法(限界耐カ計算，保有水平耐力計算，許容応力度等計算，許容応力度計算)の検証を目的としている。試験体の外観を写真1に示した。3層の試験体3体を用いて実験が行われた。