Chinese hamster ovary細胞を宿主としたサメ由来重鎖抗体 分泌生産の試み

摘要

近年、抗体医薬品に代表されるヒト由来 IgG とは構 造が異なる、重鎖のみから構成される重鎖抗体が注目 されている。重鎖抗体は抗原認識部位として重鎖の可 変ドメインからなることから、従来の抗体では到達で きない抗原エピトープを認識できる可能性を有してい る。1995年、テンジクザメ(Ginglymostoma cirratum)の 血清中で発見されたサメ由来重鎖抗体(Immunoglobulin New Antigen Receptor：IgNAR)は、タンパク質変性剤 である尿素を多く含む血中環境下においても活性を維 持していることから、劣悪な環境下においても安定 して機能する抗体として体外診断薬や検出系構築等へ の産業応用が期待されている。