自動車工場における省エネルギーの実際－カスケード制御応用技術開発による省エネルギー

摘要

当工場は，当社製品に搭載するエンジン·足回り部品の素材鋳造，及び足回り部品の機械加工·組立と，プレジデント，シーマ，セドリック，スカイライン並びにセレナ等乗用車の車両組立工場を有する乗用車の一貫生産工場である（写真1参照）．当工場のエネルギー使用量（'00年度実績値）は，原油換算で172×103 KL（種別毎使用比率：電気58％，コークス13％，エア11％，ガス8％，重油8％，他2％）と当社の生産工場中最大の工場である．省エネルギー活動は，製品原価低減活動の一環として工場内に定着しており，エネルギー管理面においては，'92年度に「熱」，'96年度に「電気」のエネルギー管理優良工場通産大臣表彰を受賞している．近年においては，'97年度に外部認証を取得したISO14001環境マネージメントシステムの中で「地球に優しい工場造り」を目指し，地球温暖化防止のために「使用熱量の削減活動」を柱とした省エネルギー活動を実践している．改善対象の分類として，生産設備とエネルギー供給設備があり，それぞれ，より効率的な使用を目指し様々な活動を行ってきているが，今回その中で，エネルギー供給設備制御系にカスケード制御方式を応用した改善事例2件を紹介する．