静岡県伊豆半島北西岸でのガラモ場回復の取り組み

摘要

駿河湾の湾奧部に位置する内浦湾沿岸には，1990年頃 までホンダワラ類の大きな群落があり，ここから流失し た海藻は周辺の海岸に大量に打ち上げられていた。しか し，近年では大瀬崎の東から淡島にかけての内浦湾南岸 で藻場が消失している。著者らは，藻場衰退域の植生-植食動物分布の状況把握および衰退原因の解明を 行つてきた。内浦湾では元来ガンガゼが生息していたが， 昨今，藻場衰退域では多くのガンガゼDiadema setosum が観察される。安倍らは，3種類の試験区（側壁の みのゥニ防除区，側壁に天井網を被せたゥニ、魚防除区， および網で,わなかった非防除区，いずれもlxlm)に， ョレモクモドャSargassum yamamotorの成体と幼体を移植して残存率の比較を行い，ョレモクモドキの成体では 各防除区間の残存率に差が見られず，幼体では非防除区 のみ残存率力5'著しく低いことを報告した。