畜産分野における竹資源の利活用

摘要

竹資源を畜産分野における飼料添加物として有効利用するため、貯蔵方法の検討、産卵鶏に対する曙好性調査および給与試験を行った。 粉砕処理された生粉末は、水分を多く含んでおり、糖類の含量が少なかった。 細菌検査では、乳酸梓菌は分離されなかったが、乳酸球菌が低い菌数で分離された。 また、腐敗に関係する好気性細菌や酵母および大腸菌群は、それぞれ高い菌数で分離された。 一方、市販の乳酸梓菌と繊維分解酵素を添加し、サイレージ調製を行ったところ、pH値が低く、良質なものが調製され、60日間の貯蔵中においても変敗しなかった。絶食5日後の産卵鶏を用いた時好性調査では、生粉末および乾燥粉末よりもサイレージの時好性が良かったが、その摂取量は1日1羽あたり約15gであった。 給与試験では、市販飼料に対して、乾燥粉末を5％まで添加しても、産卵成績や卵質へ影響がなかった。 以上より、生粉末のサイレージ調製は、乾燥化等と比較して、より低コストでの貯蔵法として有効であることが明らかとなった。