化学工学を「思考の鋳型」へ

摘要

このたび，「私の研究者.技術者人生」に私のこれまでの 教育?研究人生の一端を紹介できる機会をいただき，光栄 に感じるとともにプレッシャーを感じとっております。私 は，団塊世代真っただ中の1949年1月に兵庫県の竜野市(現 在はたっの市）誉田町という田舎で生まれました。兵庫県立 竜野高校を経て幸いに1967年4月に京都大学化学工学科に 入学できました。その後，修士課程?博士課程，学術振興 会特定研究員を経て1976の11月に京都大学化学工学科に 助手として採用していただきました。それから京都大学を 一度も出ることなく 2013年3月に定年退職するまでの38 年余，「井の中の蛙」であったかもしれませhが，恩師橋本 健治先生をはじめとする多くの先生方の薫陶のもとに，優 秀な共同研究者と学生に囲まれて.教育と研究に専念でき る楽しい毎日を過ごすことができました。定年退職後は. 縁あって京都大学エネルギー理工学研究所において，特任 教授（正式には時間雇用研究員）として，ボスドクや留学生と ともに細々と研究を続けております。その意味で，研究者 人生はまだ終わってはいない⑵と本人は思っているので すが，与えられた有難い機会に，私がこれまでどのように して研究を進めてきたかを紹介させていただきます。