水中浮遊式海流発電-黒潮を利用した新しい再生可能エネルギー発電技術-

摘要

我が国が有する領海·排他的経済水域（EEZ）は世界第6位の広さを誇り，このEEZにおける海洋再生可能エネル ギーの利用は，温室効果ガスの排出抑制や，エネルギー安 全保障の面からも積極的な推進が求められている。海洋 再生可能エネルギーを利用した主な発電方法としては，① 風力発電を沿岸や沖合でおこなう洋上風力発電，②彼の上 下に伴う運動エネルギーや位置エネルギーを電力に変換す る波力発亀 ③潮の満ち引きによる潮汐流が海峡をどで速 い流れとなるのを利用する潮流発電，④大洋を一定方向に 流れる暖流や寒流の流れを利用する海流発電，⑤低緯度海 域表層の温水を利用して沸点の低い媒体を気化させた蒸気 でタービンを回して発電し，深層の冷水で蒸気を液化して再利用する海洋温度差発電等があり，日本におけるそれら のポテンシャルは，新エネルギー産業技術総合開発機構 （NEDO）による調査がおこなわれた結果，非常に大きなエネルギーが既存しており，そこから大きな電力の抽出が見 込まれることが報告されている。