著しく粘度の違う液体を混ぜる

摘要

高粘度流体中への低粘度流体の分散は，極めて困難な撹拌操作の一つである。重合プロセスの最終段階における反応停止操作を例にとれば，高粘度の溶融ポリマー中に低粘度の重合停止剤を迅速かつ均一に混合·分散する機能が，装置に対して要求されている。 この操作では，装置に保持される流体の大部分が高粘度であるため，一般的にはヘリカルリボン，アンカーなどのいわゆる高粘度用撹拌翼が選定されるケースが多いが，高粘度流体が餅状となって撹拌翼にまとわりつき，翼と共廻りを起こすことが多い。 さらに，滴下された低粘度液によって高粘度流体と槽壁の滑りが助長され，翼にまとわりついた高粘度流体の塊がスリップし，撹拌消費動力が極端に低下するといった現象も起こる。 このような状態では，長時間撹拌しても重合停止剤の均一な分散は達成できず，重合反応の停止が不均一に起こるため，結果として，製品の品質（分子量分布）にバラツキが大きくなるなどの問題が生じてしまう。