栄養改善に向けたモリンガ、オレイフェラ（Moringa oleifera）の導入

摘要

世界全体で8億5千万人が栄養不良や飢えに苦しhでいるが，その多くはアフリカに集中している。そして，6秒に1人の子どもが飢えのために命を落としている（WFP；国連世界食糧計画）。ユニセフと微量栄養素イニシアティブによると，鉄欠乏による貧血によってIQが10～15ポイント低下し，精神的発達が損なわれ，生産性に関してもGDPが2％減少すると試算されている。また，ビタミンA欠乏症による乳幼児の死亡率が増加している（Mason，2005）。このような微量栄養素の欠乏症は貧困と強く関係し，貧困により多様な食物の摂取が困難であるという現実を如実に示している。しかも，この欠乏による心身の不健全な発達は，貧困をさらに助長させるおそれも十分に考えられ，この結果両者は悪循環となりうる（国際協力事業団，2003）。