ボルネオテツボク（Eusideroxylon zwageri）から考えるインドネシア東カリマンタン州の地域社会における木材資源の役割

摘要

インドネシアで街を歩きながら家屋を眺めていると，一風変わった屋根を目にすることがある。その屋根は遠くから見ると日本でいうところの亀甲模様が連なっているようにみえる。写真1がその屋根の様子で，写真2がより近くで撮影したものである。インドネシアに行かれたことのある方は，一度はどこかでこの屋根を目にされたことがあるのではないだろうか。初めてこのこけら板の屋根を見たとき，この樹種の特徴的な利用にインドネシアの木材資源利用を理解するヒントが隠されているのかもしれないと私は考えた。