高速電車AGV (Automotirice a Grande Vitesse)の概要(1)

摘要

フランス国鉄(SNCF)の高速列車TGVは，列車の両端に動力車を配直した動力集中方式となっている．フランス国鉄は最初に営業投入した第1世代のTGVPSE（南東線，1981年営業開始，直流主電動機使用），第2世代のTGVA（大西洋線，1989年営業開始，同期主電動使用）及びTGV Aの発展形としてThalys（タリス，1996年営業開始，パリ，ブリュッセル，アムステルダム，ケルン間国際運用，4電源対応），TGV R（レゾー，国内標準車両），第3世代のTGV 2N（ドゥニヴオー，Duplexとも呼ぶ，1996年営業使用．パリ，リヨン，マルセイユ間にてニ階建による輸送力増強）が投入され現在に至っている．また誘導主電動機を用いたEurostar（ユーロスター，1994年営業開始．パリ，ブリュッセル，ロンドン間国際運用，3電源対応），TGV POS（東線，2007年営業開始，ドイツ乗入れにも使用，3電源対応）も投入されてきた．フランス国内の旅客需要にはTGV 2Nで十分に対応できるというのがこれまでのフランス国鉄の見解であった．アルストムは，海外への販路拡大には動力分散形の高速列車が必須として1990年代末からAGVを検討開発してきており，2008年2月に試作列車Pegase（ペガサス）を公開した．AGVはいわばアルストムの世界戦略高速列車である．