電気二重層キャパシタの鉄道への応用と技術動向

摘要

電気二重層キャパシタ(EDLC: Electric Double Layer Capacitor)は分極性電極と電解液の界面に生成される電気二重層を利用した容積当たりの静電容量が非常に大きな電気エネルギー蓄積デバイスである．既に電子機器に用いられる小型品の使用実績はあるが，近年はエネルギー利用率向上などのため電力回路への実用化が進hでいる．自動車の電気駆動化に伴うブレーキエネルギー回収と補機への適用に加え，電気鉄道などへの応用技術が研究されてきたが，最近は営業線区での試験的運用も始まっている．鉄道への応用では，車両および電力供給設備における電気ブレーキエネルギーの再利用と電源電圧変動補償，またハイブリッド方式車両への応用などが国内外で検討されており，最近のこれらの代表的研究事例をまとめる．今後，エネルギー密度向上研究が進むことにより，より広い普及が期待され，これらの動向についても現状を述べる．