森林空間の3次元情報化が林業革命を引き起一レーザ計測技術と林業情報のGIS化が 革命の起爆剤一

摘要

森林資源の量.質の把握は林業の基本增田論文により、消滅自治体の可能性が指摘され、にわかに地方創生の言葉が世の中に飛び交い、地方自治体の知恵が試されるようになつた昨今である。こうした中で、地方創生の原点にある地域資源の経済的利用と生活環境の豊かさ確保の視点から、森林資源の幅広い活用が着目される。さて、本誌二一四、一一月号に掲載された東京大学酒井秀夫教授の「林業の改革に向けて-安定供給に向けたサプライチェーンの構築と新しい作業システム-」が注目される。要約すれば、①原材料の持続的安定供給により事業量の保証を通じて事業体を育成するため、サプラィチェ—ンを形成するステークホルダ](利害関係者)の円卓会議を設置すること。加えて②各事業者への適正な利益配分が透明公平に行われることを保証するため、各生産工程の標準功程を明らかにし工程間の信頼を確立することが重要と唱えている。そのように考えた時、議論の原点になるのは森林資源量ではないだろうか。「利用地域の森林資源量はいくらあるの？」との問いに担当者はどのように答えているのであろうか。「林,簿の数値があるのでは」と言いたいところであるが、公表されている森林資源の現況に大きな不安があるのが実情ではないだろうか。今、この不安を払拭すべく、レーザ技術を使つた新しい資源把握手法に大きな動きが出ている。