医療現場からのバイオシミラーへの期待と課題

摘要

基礎医学の進歩と技術革新により「バイオ医薬品」 の開発と臨床応用が進展し，多くの疾患で優れた治療 が可能になった。生物学的製剤の登場により，関節リ ウマチの診療は進歩し，患者予後を改善させてきた。 薬剤経済学的にも費用封効果が証明されている。その —方で国民医療費も増加し，国民医療費に対してのみ ならず，患者への経済的圧迫も生じ，結果的に患者の QOLを下げている。したがって，バイ才シミラ一は 医療費の適疋化につながる選択肢のひとつであるが， 現時点では医療関係者や患者に+分な理解が広がって いるとは言い難い。さらにバイオシミラーを普及させ るためのインフラ整備が不十分であることも指摘した い。バイオシミラーを国民医療費適正化の手段として 活用するためには，医療従事者への正しい理解の普及 や，適切な使用推進を目的とした政策の立案?実行な どの積極的な環境整備が望まれる。