機能性表示食品の臨床試験を報告するさいの留意点

摘要

機能性表示食品の臨床試験にはまだまだ不備が多いよ うである。エンドボイン卜（アウ卜カム）を明確に定義し， また主観的な機能を立証するのに適したエンドボイン卜 であるかどうかをよく吟味しなければならない。QOL アンケ一卜などの利用も考えられるだろう。多時点およ び多項目に関して，多重性の問題を認識すべきである。 多重性の問題が発生しないような統計解析上の配慮が求 められる。また，ランダム化や盲検化の意義をよく理解 し，その詳細についても報告することが必要である。機 能性表示食品では数+例という少数例の臨床試験を見か けるが，例数設計を事前に行うことで，適切な例数を算 出すべきである。機能性表示食品ではクロスオーバー試 験がよく採用されている。これにより例数を大幅に削減 できるが，その一方で持ち越し効果など危険性もはらh でいる。群間比較デザインとの選択を適切に行うべきで あろう。