食品機能成分による加齢性疾患の予防効果

摘要

超高齢社会となった日本では，高齢者に要する医療費 や社会保障費の抑制が重要な課題である。これらの費用 を抑制するには，高齢者の健康寿命を延ばすことが必要 であり，様々な分野で研究が進められている。近年，老 化研究の成果を活用した，食品機能成分による抗老化研 究も盛hに行われている。我々は，加齢に伴う疾患の多 くが血管新生やオートファジーと関連していることに注 目し，雨者に作用する食品機能成分の杭老化作用につい て検討を進めている。その結果,血管新生抑制作用とオー トファジー活性化作用を有するスルフォラファンやカル ノシン酸が，加齢に伴う脳や運動器の機能低下に対して 保護的に働くことを見出した。これらの成果は，老化研 究に基づく食品機能成分の研究が健康寿命の延伸に貢献 できる可能性を示すものであり，当該分野の更なる展開 が期待される。