【マクロフア一ジにおけるpH低下の生理的意義】

摘要

過剰な炎症応答は,臓器障害を引き起こすだけでなく,アレルギー疾患や自己免疫疾患発症の要因となる。炎症部位では,pHが低下することから,炎症部位に浸潤した免疫細胞は,低pH環境下に暴露される。その時,マクロフア一ジは,pH低下を感知するシステムである「pH感知性GPCR」を介して,多彩な生理的応答を示すことが分かってきた。本稿では,マクロフアージにおけるpH低下の生理的意義にっいて概説しながら,我々の最近の知見である,心筋梗塞時におけるpH感知性GPCRの1っである TDAG8の生理的役割にっいて紹介する。