マウスの社会性記憶を貯蔵する神経メ力ニズム

摘要

全ての社会性動物にとって,社会の中で適応的に振る舞うためには,その社会を構成する同種他個体を記憶し識別する必要がある。この「誰（Who）」という記憶は,海馬に貯蔵されている事が示唆されていた一方,どのニュ一ロンにどのょうにしてコ一デイングされているのかにっいては不明な点が多かった。私たちの近年の研究にょり,光遺伝学手法と微小内視鏡にょる神経生理学的手法を組み合わせた結果,腹側CA1 （vCA1）が「ニュ一ロン集団（ニュ一ラルアンサンブル）」にょって特定の社会性記憶を表現していることが明らかになってきた。本総説では海馬の中で社会性記憶ヘの寄与が報告されている背側CA2（dCA2）とvCA1に焦点を当て,社会性記憶の神経メ力ニズム研究を俯瞰する。