腐食工学実践教育の推進

摘要

高度成長期の最後の世代として，自ら希望して，腐食科学·防食工学の世界に係わってきた．研究者·技術者として過ごしてきた約40年のうち，30年ほどは民間企業の立場として，そして今後を含め（余寿命推定を含む）約15年間は教育·研究の場に携わる予定である．ところで，永い歴史を通して生き残っている種は環境の変化に柔軟に対応できたものである．工学分野に携わるものは社会の要請を常に意識することが重要である，「腐食科学」や「防食工学」も「環境材科学」（Corrosion and Materials Performance）などと名前を変えながら次々と湧き上がる社会的要請に応えてきている．幸いにも時代の要望を踏まえながら歩むことのできたこの間のいろいろな（特に鉄鋼業と重工業との業態に属した）経験を振り返りつつ，今後について考えたい．