渦が引き起こす純銅の腐食

摘要

すき間噴流法試験装置において，1％CuCl_2（Ⅱ）水溶液を従来とは逆に,すなわち外周部から中心部へ向けて流して，純鋼の試験片について試験を行ったところ，流速差腐食（中央の高流速部で減肉少，外周部の低流速部で減肉大）が生じた。 ところが流量を上げると，浸食の様相は一変し，中央の高流速部に深いピットが生じた。この異常腐食の直接の原因は固定渦であり，渦の下と外周部との間のいわば通気差によってアノード分極挙動に差が生じたためであることを分極曲線モデルを用いて説明した。 またマクロ電流測定を行って，その機構説明が正しいことを立証した。