フルクタンに関するゲノム情報を活用した高品質、高機能なイネ科牧草育種素材の開発

摘要

寒地型イネ科牧草では，可溶性のフルクトオリゴ糖および多糖であるフルクタンが茎葉などに貯蔵される。 フルクタンは作物の越冬性の向上と高く相関することがよく知られている。 また，フルクタンの増加は家畜の噂好性を向上させるとことこもに消化性に関わる家畜ルーメン内の環境改善に深く関わっていることも明らかにされている。 そこで，フルクタンに着目することは，越冬性に優れ高品質、高機能性なイネ科牧草品種を開発するには極めて重要であると考えらわる。 一方、ゲノム学研究が急速に進展し、遺伝地図の作成と有用なDNAマーカーの選定および遺伝地図を利用した遺伝子座のマッピング、QTL（量的形裏道伝子座）の解析，さらには形質転換系を利用した遺伝子機能の解明などの研究手法が確立されるとともに研究が進展しているイネやシロイヌナズナなどでは得られた遺伝情報　佃STデータベース等）がインターネットで公開されている。 このような背景の中で，フルクタンに関するゲノム学情報を括用して，イネ科牧草の高品質、高機能な育種素材を開発することを目的として，科学研究費補助金基盤研究に応募したところ採択され　 2002年度から3か年計画で研究を開始した。 本研究は北海道農業研究センターイネ科牧草育種研究室，越冬ストレス研究室および北海道大学北方生物圏フィーリレド科学センターとの共同研究として進められている。