加工用多収水稲品種「上育438号」

摘要

近年、調理済み米飯の利用が増加している。 その中で、冷凍ピラフは一般家庭や外食産業に利用されているため、需要が伸びており、その原料となる加工用米が実需者から強く求められている。 清酒用等を含めると北海道産米のうち1割程度が加工用に用いられている。 「あきほ」は加工適性に優れる北海道米として実需者の要望が強い品種であるが、収量が「きらら397」より下回る傾向にあるため最近は作付面積が減少しており、実需者の要望に十分には応じられない状況である。 本品種は、ピラフの加工適性は「あきほ」に優れる。 出穂期は早生の中であり、成熟期は中生の早となる。 耐冷性は極強と強く、いもち病抵抗性も強く栽培しやすい。 収量性が高く、「きらら397」より1割程度は多収となる。