酪農パーラー排水のような高難易度排水の浄化処理システムの開発

摘要

平成15年度より、北海道経済産業局の「地域新生コンソーシアム研究開発事業（中小企業枠）」に私達のグループが提案したプロジェクト「酪農パーラー排水のような高難易度排水の浄化処理システムの開発」が採択された。 本稿では、プロジェクトの背景、目的、具体的な計画、メンバーの構成および採択までの経緯などについて簡単に述べることとする。 近年、搾乳牛を放し飼い方式で飼養するフリーストールミルキングパーラ方式の牛舎が増えつつあるが、ミルキング／トラから出される排水（パーラ排水）は潜在的な問題を抱えている。 パーラ排水の中には、牛乳を搬送用パイプライン、ミルカー、バルクタンク（牛乳冷蔵用タンク）の洗浄水（薬剤が含まれる）や、搾乳時に牛が並ぶプラツトフオームの洗い水（若干のふh尿が含まれる）、さらに、乳房炎などで廃棄する牛乳などが含まれている。 このパーラ排水の後始末はなかなか十分になされているとは言い難く、河川に流れ込hで問題を引き起こしている例も散見される。 この間題は、家畜排せつ物法（家畜ふh尿の適正な取り扱いを規定する法律）による罰則の適用を来年（平成16年）11月に控えて、その影に隠れてはいるが、近い将来に顕在化が予想される問題である。 従来の方法で対応することは技術的にも経済的にも難しいため、処理対策は進hでいない。