ニワトリ胚時期における成長制御機構～ブロイラー胚と産卵鶏胚における脂質代謝の違いと卵黄脂質の体内移行メカニズム～

摘要

世界人口は2000年から2050年の50年間で30億人増え、90億人に達すると予測される。その人口を支える食料供給において、耕地面積の拡大は既にピークに達しているため、穀物生産の拡大は期待できない。この事態は畜産物の生産に大きな打撃を与え、ともすれば家畜、家禽への穀物供給は途絶える可能性が非常に高い。バイオエタノール生産への転換からも穀物供給への緊張感は高まっている。穀物に生産を大きく依存する家畜、家禽の中で、ニワトリは飼料効率に優れ、出荷までの日数が早いことから今後の畜産物の主体となる可能性が考えられる。