クリスタルガラス製品の製造に伴つて発生するブルーライトの有害性

摘要

一般に，ガラス製品の製造では，ガラスの材料を炉の中に入れ，千数百°c程度まで加熱するが，高温となつた炉内および材料からは，強い熱放射が発生する.ガ ラスの加熱，成形などの工程を手作業で行う作業場で は，作業者は，炉に対する材料の出し入れ，炉内の材 料の観察などの際に，この熱放射へ曝露される.ガラス製品の製造の際に発生する熱放射は，実際上， 赤外放射と可視光の二つの波長成分から成る.そのう ちの赤外放射の成分は，作業者に対して白内障（ガラ スェ白内障）を引き起こすことが,古くから知られて いる1).同様に，可視光の成分についても，作業者に対して眼障害を引き起こす可能性が考えられる.