地上型衛星航法補強システムのためのGPS衛星故障信号検出手法としきい値決定方法およびその評価

摘要

本稿では，まず，想定される故障モードに対応するために，さらに開発を進めた検出手法について述べる。次に，実際にシステムに応用する場合に必要となるしきい値およびMDE （Minimum Detectable Error；最小検出可能誤差）の決定と測距差への換算手法について述べ，最後に，提案手法を実信号へ適用した結果を述べる。MDEは，継続性の要件から決定される誤検出確率（異常でないのに異常と検出してしまう確率）と正常時の分布よりしきい値を決定したとき，このしきい値と，完全性の確保に必要な未検出確率（異常があるのに異常が検出されない確率），および異常時の分布から算出される値である。その未検出確率を許容したときに検出可能な最小の誤差に相当する値であり，実際にシステムを設計するときに必要となるものである。