デジタルペンを用いた論理的思考を展開できる教育法の開発－授業準備や授業運営の省力化に関する評価

摘要

我々は，初等·中等教育における論理的思考力の育成を目的に，デジタルペンを用いた視覚的情報共有型の授業支援システムを開発し，教育効果の検証や学校現場の教材を用いた授業の実践と評価を行ってきた．一方，学校の情報化については様々な議論や施策が進行中であり，学校へのICT機器の導入·普及のためには，それらのICT機器を用いた授業準備にかかるコストや，授業運営の容易性が重要な評価点の一つとなる．そこで本報告では，実践授業にご協力いた．だいた教諭に対し，本授業支援システムを用いた時の授業準備や授業運営の効率性に関する評価をしていただいた結果について述べる．具体的には，授業準備の簡易性やペンと紙で授業システムを操作可能なペーパーリモコンの使い勝手などを現場教諭へのヒアリングにて明らかにした．その結果，（1）共通のフォーマットを用いることで授業準備を簡略化できる，（2）机間巡視をしなくても筆記活動の停留状態を短時間で把握でき，授業運営の効率化を図れる，（3）教諭が目的の児童·生徒の解答を短時間で選択でき，授業運営の効率化を図ることが出来る，といった評価をいただいくことができた．