最近の事故多発は偶然か？

摘要

何ということであろう。 最近の製造業や廃棄物処理業における事故の頻発は，目を覆いたくなる。 「安全を維持することが企業に取って極めて重要である」と言い続けて何十年という歳月が流れてきた。 世界で最も事故の少ない国になったと言われたときもあった。 しかし，これらの産業は，この7月以来僅か3ヶ月内に多数の死傷者（16人が死亡）を出し，住民の避難や市場に対して巨額の損失を引き起こした。 日本経済新聞（9月30日社説「看過できない連続工場事故」）は，『2002年の石油コンビナート事故の発生率は，1991年の2倍以上であり，事故の原因は漏洩の1／3がパイプなどの腐食や劣化，火災の2／3以上が人為的要因である。これは，バブル経済以降のコスト削減による生産現場の弱体化によるものであり，製造業は立ち止まって生産現場の安全，安定供給確保の体制を総点検すべきだ』との見解を示した。