子連れ留学奮闘記

摘要

私は文部科学省の大学教育の国際化推進プログラム（海外先進研究実践支援）に応募して，採択され2006年8月から2007年3月までの約8ヶ月間，米国ニューヨーク州IThaca市にあるコーネル大学工学部化学·生物分子工学科のShuler教授の下で研究員として留学してきました。 この制度は以前の在外研究員の代わりとなるものであり，科学研究費補助金の公募方式と同様に，1月末に公募され2月末に申請締め切り，3月下旬に審査結果公表というスケジュールで，採択率が2006，2007年度は73％，2008年度は55％となっています。 助成金は最大300万円まで，期間は自由に設定できますが年度末までに帰国という制約があります。 私の場合，実施初年度だったこともあり，突然の公募で学内申請締め切りまでの期間は実質1週間程度，受け入れ先の承諾が必須，という厳しい条件にまさに右往左往しました。 研究テーマを学生の頃から続けている植物細胞培養技術を利用した「細胞内代謝制御による選択的物質生産法開発」とすることに決め，数件の受け入れ先候補にメールを送信しましたが，学内締め切り日までに受け入れ承諾の返信を得ることができませんでした。 「採択者が申請した受け入れ先に行けない場合には，所属機関全員の採択が取り消しになる」ということでしたので，他の方に迷惑をかけないよう申請を断念することも考えました。 しかし，所属学部の国際交流担当者が大学本部と交渉して下さり，何とか申請することができました。