膜分離を利用した血液透析器における溶質除去の効率化

摘要

重篤な腎不全患者の体内に蓄積されている尿毒素を体外で透析により透析液中に排泄したのち，浄化された血液をふたたび体内に戻すことにより，患者の生命を維持するのに用いられているのが，人工腎臓（ダイアライザ）である。尿毒素の除去には透析膜と呼ばれる合成高分子膜が主に使用され，直径50mm，長さ300mmの筒のなかに，化学工学を駆使した技術が盛り込まれている。